あのぉ、できれば
夜更けて・・・とか
人恋しい時間帯に、ひそかに読んでほしかったり。。






向山公園、ぼんぼりのにぎやかな灯りは
すっかり消えて
わたしたちの他には もう誰もいない。





いつもの街灯に照らされた、さびしげな満開の桜と、
わたしたちだけの空間。

そしてあの人は 心を決めて、
ぽつりと言った。









    

     君とは 結婚できない・・・
     幸せにしてあげられないから・・・



   






花冷え。。。そんな言葉がぴったりな
春物のカーディガン一枚では 寒い日でした。
小さな私の声を わざと届かなくさせる風も吹く。




    




      そう・・・わかった・・・



   
  






案外、平気なものなんだね
シビアな別れ話って。
っていうか
私の為にいている男がいることが、ちょっとしかったりもして。
それとも、こうなることは 最初からわかっていたからなのかな。。


あっ・・・













      でも、君のことを想ってるよ。
      いつも、いつまでも








別れの言葉に 「この先」をつなぐ男は
嫌いなはずだった。
けれど、今日は 違う。

女は 本当 勝手な生き物・・・




    







      
      さようならだね





      そうね、さよならだね
 







止みそうもなくなってきた雨のなか
それでも わたしたちは、満開の桜の下にいた。
言葉を交わすこともなく
ただじっと 満開の桜の下にいた。


    








      来年も再来年もずっとこの先この日だけは 雨になるさ。。。
      ぼくの涙雨にね







ちょっとだけ笑って あの人は言った。
つられて わたしも、ちょっとだけ笑った。。



    








      帰ろう




    
      そうだね。帰ろうか。。

    

    






      うぅん、帰りたく・・・・・・










引き留める勇気のなかった私の恋。。
それっきりの私の恋。

さて、また今年も雨は降るのかしら。
花冷えのする満開の桜のあの日に。









っていう 寛一お宮風味もはいった マイ桜らぁぶ

注)登場する人物・地名等フィクションですから。。。のハズ。。。困った